今日はお汐井取りの日 これは 山笠の祭りの前の清めの儀式ということになる。

石堂橋。お汐井取りのスタート待機地点となる。
辻のあちこちに竹笹御幣
石堂橋には注連縄(しめなわ)と
櫛田神社からもらう笹竹で作られた竹笹御幣が
街の交差点やあちこちに立てられ祭りの安全を祈願する。

高速道路を背に 笹竹で作られた竹笹御幣
このような街灯などに固定され あちこちに立てられている。
大黒流の舁き山を見に行こう
先日 舁き山を見に行ったが
製作中のためか まだ公開されてなかった流もあった。
そこで 今日は まだ行ったことのない
大黒流の舁き山を見に行こうと思う。
幸いにも 天気予報は雨にもかかわらず
昼からは 日も照りだした。
山笠のシーズンは九州地区は例年梅雨時期で
雨の日が多いのだが、今年は比較的天気に恵まれている。
まず 博多座とリバレインの間から 通りを北上しよう。
この筋が「リバレイン通り」という呼び名だったのは知らなかった。

リバレイン通りを通過を通過する...
そのまま抜けていこう。
大博通りを渡り尚も真っ直ぐ進んでいくと

大博通りを横切り交差点をわたると大黒通と。
大黒通り。おそらく もう近そうだ。
大黒流は 域の商店が少なく存続のが難しいと言われる中、
地域の主達が団結して今も頑張っている流らしい。
応援せずにはいられない。
流の舁き山笠の場所は 他の流から 少し離れた
住宅街の中にある様だ。
学校がある所まで突き抜けてしまったので隣の路地へと
折り返そうとすると こんな看板を発見。
この電柱から すぐに、左にターンすると
看板に書かれてた様に完全に道を塞ぐ形で
舁き山笠とその山小屋があった。

大黒流の舁き山発見。住宅街の道を塞いでいる。
おもてに 廻ってみよう。
山小屋の大黒流の文字が力強く
そして天井の白布が青空の蒼を吸っているかのように青い。

鎧心肝 七番山 大黒流
鐵心肝(てっしんかん)
人形師 置鮎正弘
質実剛健な感じ。まさに大黒流のイメージにぴったりだ。
帰りは廻り止めを 通っていこう。山笠の決勝のゴール地点だ。
ホテルオークラを 背にした廻止め

ホテルオークラを背に廻止めが見える
大黒流の舁き山は 常にゴールと対峙している構図となる。
須崎廻止め ゴール地点付近の光景
オークラ側から見ると
こんな感じだ。

ホテルオークラ 大博通りを挟んで廻止めを望む
このずっと先に大黒流の舁き山笠があるわけだ。因みに追い山のゴール地点の左に写る和菓子屋 鶴屋 萬盛道の2階で、ゴールするタイムが計られている。
地上では男衆や見物人がごった返し正確なタイムが計れないからだそうだ。
そして ここまで来たら 先日見られなかった
土居流と西流の様子も気になってくる。
そのまま 足をのばして
歩いて行ってみることにした。
土居流はビルの狭間に
まず 土居流。
こちらは オフィス街のビルの間にに鎮座していた。

ビルの間に土居流の舁き山が見える
山小屋の中で 長法被姿の年配の男衆が
「おぉ 朝から日が差して 暑いよ~
やっと 涼しいのが吹いて来たぁ。」と
溶けそうな笑顔で 話していた。
どうやら応援の 親戚の子ども達が来たみたいだ。

土居流 標題 福之神招來。
福之神招来 (ふくのかみしょうらい)
人形師 中村信喬
これからの祭りへの期待で 浮き足だった街の様子が垣間見える。
西流 三番山笠で見つけた珍八景とは?
そして休まず さらに、西流へと歩みを進めていこう。
改めて 山笠は 5キロ近くのコースを走るのだが 、
北から南への博多の街を切り返して往復する為。
西から東へ(東から西も然り)と移動しながら見物すると
各流れの舁き山が 予想以上に近い位置にあることに気がつく。

ビル街には沢山の博多提灯が盛られている。
西流を見てみよう。よかった。出来ている。
いい感じだ。

西流 舁き山笠
弁慶仁王立 (べんけいにおうだち)
人形師 今井洋之
氷柱のオブジェの中身はなんだ?
ここで 興味深い物を見つけた。
氷が溶けて台から水が みるみる溢れている。
それぐらい 都会のアスファルトの上は暑いのだ。

涼しげな氷柱 小洒落たオブジェにも見えるが。
ところで これは何なのか分かるだろうか?
実は これは手法袋(てっぽう)の氷づけだ。
「てっぽう」とは 台上がりが 台の上から 走りに勢いをもたせる
指揮棒のようなもので
麦わらの束に、赤い神紋が入りの布が巻かれている。
これを 氷で冷やしているのだ。

氷の中に閉じ込められたてっぽう
ただの氷柱と見過ごしている人が多かったが
「これ どうしたの?」と尋ねる人がたまたまいた。
「いやぁ あついからね〜」と言うことだった。
手法袋(てっぽう)も生ものなのである。

見送り側 にもう一つてっぽうの氷柱 こちらは表面がすべすべで クリスタル細工の様にも見える。
これを見ると中のてっぽうの造作がはっきりと分かるだろう。
下側に藁の束の端が見え、麻縄の様な物でしっかりと結ばれている。
台上がりの触ったときの感覚で 山の志気も軽やかになるのだろう。
大黒流、土居流、西流舁き山笠 まとめ
- 舁き山はいわば、直接 山笠の競技に使われる神聖な道具そのもの
- 7月9日にもなると すべての舁き山笠が完成し山小屋に重石で固定してある
- 大黒流は須崎町のゴール地点の目前、同一通りの一直線上にある
- 博多中央にかたまる各流から、程よく離れた場所にある
- 大黒流は参加商店が少ない中、結束が固い
- 大黒流 舁き山笠 標題 鐵心肝(てっしんかん)
- ゴールのタイムは目の前の和菓子屋 鶴屋 萬盛道の2階で 計測される
- 櫛田神社にほど近く街の中央に位置する土居流
- 土居流 舁き山笠 標題 福之神招来(ふくのかみしょうらい)
- 西流舁き山笠 標題 弁慶仁王立 (べんけいにおうだち)
- 西流の山小屋で氷漬けのてっぽうをみることができた。暑い日で運がよければ川端商店街の飾り山の側でも見ることができるそうだ。